資生堂が4年ぶりに最終赤字を計上したニュース。中国市場の不振や、構造改革の内容について、今後の影響が気になりますね。
【3つのポイント】
- 中国市場での消費低迷が最大の要因
- 構造改革とコスト削減の取り組み
- 2025年には60億円の黒字転換を目指す
【第1部:中国市場での消費減速と業績への影響】
2024年12月期の資生堂は、売上高9,906億円、最終赤字108億円という結果に。これは4年ぶりの赤字であり、特に中国市場の減速が大きな影響を及ぼしました。
- 中国市場での競争激化と消費低迷
- 中国国内では、現地企業が急速に台頭し、資生堂が競争優位性を維持するのが困難になっています。また、コロナ禍以降の経済低迷により消費者が購買意欲を控える傾向が見られました。
- 影響が広がるトラベルリテール事業
- 空港などで展開される免税品販売も苦戦し、訪日外国人による購買が期待値を下回りました。この結果、免税市場での収益も想定より伸び悩んだのです。
- 現地での経費増と引当金計上
- さらに、2021年に売却した「ベアミネラル」関連の引当金として128億円を計上したことも大きな痛手でした。
資生堂、売却ブランドの対価回収不能 最終赤字108億円https://t.co/DyB6m6k4KI
— 日本経済新聞 電子版(日経電子版) (@nikkei) February 10, 2025

【第2部:構造改革による再建とコスト削減への取り組み】
資生堂は、今回の赤字を単なる一過性のものとせず、抜本的な構造改革を通じて未来への基盤を整えようとしています。
主な改革ポイント
- 高コスト体質の見直し
2024年には、日本を中心に200億円のコスト削減を実施。さらに2025年も同額の削減を目指し、グローバル全域に適用予定です。 - 重点ブランドへの集中投資
- SHISEIDO
- クレ・ド・ポー ボーテ
- NARS
これらのブランドは、前年比100億円増のマーケティング費用を投じ、グローバルでのシェア拡大を図る計画です。特に中国市場では、スキンケア製品「ル・セラム」の販売を強化し、消費者ニーズに応える製品展開を推進します。
- グローバル視点での統合戦略
欧州や米州でのシェア拡大に向け、フレグランス部門やサンケア商品など、現地の消費トレンドを取り入れた戦略的商品投入が鍵となります。
中国に前のめりだったようですが、同時に選択的夫婦別姓にも前のめりで、会長が「先送りできない重要課題」だと公言しています。この意味。残念です。
— 清水ともみ (@swim_shu) February 11, 2025
資生堂 最終赤字 100億円超 中国事業など不振で業績悪化 | NHK https://t.co/KwdItBiMyh

【第3部:2025年の黒字回復と成長に向けた取り組み】
資生堂は、2025年の業績見通しとして最終利益60億円の黒字回復を目指しています。そのために、以下の施策を確実に実行する必要があります。
- 主要ブランドの成長推進
コアブランド(SHISEIDO、クレ・ド・ポー ボーテ、NARS)を中心に、売上成長率をプラス1桁台に引き上げることが掲げられています。また、新製品「アルティミューン」の発売による成長加速が期待されています。 - 中国市場での巻き返し
現地ニーズに対応する製品ラインナップを強化し、Eコマースプラットフォームでのプロモーションを増やす予定です。また、顧客体験型の販売イベントも導入し、ブランドへの信頼感を高めることを重視しています。 - 配当の安定化と投資家対応
配当金は2024年の年間60円から40円に減額されるものの、長期的な成長を見据えた投資のための資金確保が優先されています。
中国に前のめりになった企業の末路。いい加減気づけよ、もう作り方やその他もろもろ盗られるだろう。
— 田舎暮しの唱悦 (@shoetsusato) February 10, 2025
資生堂、中国事業など不振で業績悪化… 最終赤字 100億円超 – Share News Japan https://t.co/rSBdkOWP2n

【今後の見通し:持続可能な成長への道】
資生堂は、今後2年間を「勝負の年」と位置づけ、ブランド強化と構造改革を加速させます。以下の点が注目されます:
- 中国市場の回復に成功するかどうか
- 米州やトラベルリテール事業での収益改善
- 主要ブランドへの集中投資による収益性の確保
2026年までにコア営業利益率を7%に引き上げる目標を掲げ、着実な成果を出すことが求められています。市場環境の変化に迅速に対応しつつ、ブランド価値のさらなる向上を図ることが、資生堂再建の鍵となるでしょう。
まとめ
今回の赤字は、短期的には痛手ですが、資生堂の構造改革やブランド投資戦略が奏功すれば、2025年以降の成長基盤はより強固なものになると予想されます。引き続き、資生堂の今後の動向には要注目です。

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