今回の内容のまとめ(3つのポイント)
- トランプ・プーチン両大統領の“極端な歩み寄り”が顕在化
- リトアニアの壁画が今の事態を暗示していたとの声が再燃
- ウクライナ抜きでの和平交渉に欧州諸国が強い警戒感


第1パート:米露接近の背景と“予言的壁画”が再燃する理由
米国で大統領選挙が終わり、再びトランプ氏が政権を握ったことで、対ロシア外交が大きく変化し始めています。バイデン前大統領とは一線を画する外交姿勢により、ウクライナをはじめとした欧州諸国は警戒感を募らせているようです。とりわけ、ウクライナ側を強く支持してきたバイデン路線とは打って変わり、トランプ氏がプーチン大統領と直接コンタクトを取り、停戦交渉を進めようとしている点が注目されています。
- ウクライナ抜きの和平交渉
トランプ・プーチン間の電話会談では、ウクライナを当事者として扱わず、米露の二国間で合意を探る姿勢が見え隠れします。これに対し、ウクライナ大統領ゼレンスキー氏は強く反発。欧州連合(EU)の外務大臣会合でも、ウクライナ側と協調姿勢を取る声が多く挙がり、ヨーロッパ諸国は「当事者抜きの話し合い」を危険視しているようです。 - リトアニアの“キスを交わす壁画”の再注目
そんな中、バルト三国のリトアニアに描かれたトランプ氏とプーチン大統領がキスをしている壁画が再び脚光を浴びています。この壁画は、2016年のトランプ氏初当選の頃に制作されたもので、トランプ政権とロシアが急接近するかもしれない――という不気味な“予言”のように受け取られてきました。最近はSNS上で「本当にこの通りのシナリオになりそうだ」と話題が急増中。リトアニアは歴史的にソ連の影響を受け続けてきたため、ロシアの強権的な動きには敏感で、今回の米露接近の報に不穏な気配を感じている人が多いようです。 - バルト三国の不安
リトアニア、ラトビア、エストニアといったバルト三国は、過去にナチスドイツやソ連に支配された歴史を持ち、強国が影で手を組むような動きには厳しい視線を送り続けてきました。特にウクライナへの侵攻以来、プーチン政権を快く思わない国民感情が根強く存在するため、「米露が結託するのでは」という懸念は広がっているようです。
こうした背景を踏まえると、トランプ大統領がプーチン大統領との関係を再構築しようとする行為は、バルト三国の不安を一層かき立て、結果的にリトアニアの“予言壁画”のインパクトを増大させているといえます。

今朝の #朝日新聞 より。リトアニアにある壁画らしい……皮肉だというのは解っているんだけも、これでどんなストーリーなんだろう……って考えてしまう。 pic.twitter.com/LuVF9q0iB0
— かおり (@iRoakg) November 15, 2016

第2パート:電話会談の具体的内容とウクライナの窮地
2025年2月に行われたプーチン・トランプ電話会談は、およそ1時間半におよび、ウクライナ情勢が主な議題に上ったとされています。しかし、詳細な中身は公式発表を除けば不透明な部分も多く、複数の問題が取り沙汰される結果となりました。
1.米露“独自合意”の兆し
- ウクライナ抜きの合意
両首脳はウクライナ戦争の終結に向け、すぐに交渉をスタートさせる意向を示していますが、そこにウクライナ当局を同席させるかどうかは明言されていない様子。実際、ゼレンスキー大統領は「自国が抜きにされた和平合意など受け入れられない」と強い姿勢を打ち出しました。しかし、米露両国は“現実的な落としどころ”を探る動きを加速させており、ウクライナが置き去りになりかねない危機感が高まっています。 - クリミア問題も棚上げ?
トランプ政権は、クリミア返還をロシアに要求しない方針にシフトするのではないかとの憶測も。いわゆる「クリミア併合以前の国境に戻す」という構想は、ウクライナにとっては死活問題ですが、米国防長官や国務長官の発言からは「完全回復は現実的ではない」とのニュアンスが見え隠れ。ここにゼレンスキー政権は猛反発しており、米国側がどう折り合いをつけるのかが焦点となっています。

2.欧州諸国の反発と米国内の温度差
- ヨーロッパ各国の不満
フランスやドイツ、ポーランドなどウクライナを支援してきた国々は、米国がいきなりロシアと手を結ぶ動きを見せたことに強い戸惑いを抱いています。とくにEU関連の会合では、「ウクライナ抜きの交渉はあり得ない」とする声が根強く、トランプ政権と欧州諸国のすれ違いが表面化している状況です。 - 米国内の意見対立
元々、バイデン前政権の支持者からすれば、トランプ・プーチンの急接近は真っ向から受け入れがたい部分があるようです。さらに、共和党内でも対ロシア政策をめぐる温度差があるため、トランプ大統領の決定に対して一定の抵抗が生じるかもしれません。今後、米議会でどの程度支持が得られるかが、トランプ政権の対露政策を左右する要因となりそうです。
3.ゼレンスキーへの強まる圧力
- 「選挙を経ていない独裁者」呼ばわりされる苦境
トランプ氏はゼレンスキー大統領を批判し、「選挙で選ばれたとは言えないリーダー」とまで言及。実際、ゼレンスキー氏は大統領選を経て就任しているはずですが、トランプ氏側はウクライナの政治状況を疑問視しています。この一方的な言及にヨーロッパ各国や国際社会がどう反応するかが、今後の外交情勢を左右するでしょう。 - 経済支援・軍事支援の行方
これまで米国からウクライナへの援助は、軍事的にも経済的にも大きな支えでした。しかし、トランプ政権が支援策を見直す可能性が取り沙汰されており、ゼレンスキー政権には非常に厳しい状況が続きそうです。米財務長官の訪問が「時間の無駄だった」とトランプ氏が述べているとの報道もあり、ウクライナに対する米国の姿勢が軟化するのは望み薄と見られています。


第3パート:今後の世界情勢への影響と展望
ウクライナ戦争の行方は、欧州だけでなく中東やアジアにも波及する可能性があります。トランプ・プーチンの接近がもたらす影響について、以下のような点が浮き彫りになりつつあります。
1.「第三次世界大戦」発言の重み
トランプ大統領が「第三次世界大戦はそう遠くない」との趣旨の発言を行ったことが報じられ、国際社会に大きな波紋を広げています。もし米露が手を組み、どこかの地域で緊張が高まれば、世界規模の対立が発火するシナリオもあり得るかもしれません。EU諸国やNATOがこれをどう抑え込むか、さらには中国や中東諸国がどう動くかが注目点です。
2.米国とヨーロッパの溝が拡大?
ヨーロッパ側はウクライナ支援を軸にロシアを抑え込む路線を進めてきました。しかし、米国がロシアとの取引を優先する方向にシフトすれば、欧米関係には大きな亀裂が入る可能性があります。すでに「ウクライナの将来や安全保障を考慮せず、米国が自己都合で動いている」との批判が欧州各国のメディアで盛んに報じられています。
3.リトアニアをはじめとする近隣諸国の動向
リトアニアの“予言的壁画”が示すように、バルト三国や東欧諸国は、ロシアの影響力拡大に神経をとがらせています。もし米露が合意したとして、NATOの対応や安全保障協定はどうなるのか。クリミア併合の前例もあるだけに、ロシアがさらに勢力を伸ばすシナリオは想像に難くありません。リトアニアなどは積極的に国際世論に訴えかけ、米露接近を警戒する姿勢をより強めていくものと見られます。
4.イデオロギー対立からの脱却か、それとも新たな冷戦?
一方で、米露が急接近することで「イデオロギーの対立が緩和されるのでは」という楽観的な見方も一部に存在します。しかし、ウクライナ問題をはじめとする多くの懸案が残ったままの合意は、新しい火種を生むだけという悲観論も根強いです。仮に米露が“部分的な協調”を実現しても、それを別の地域での影響力拡大に利用する可能性は十分に考えられるでしょう。


今後の展開と予測:世界が注視する米露の動きとウクライナの行方
- ウクライナを交えた再交渉の必要性
現在、ウクライナが置き去りにされた形で米露が接近しているのは事実。欧州連合やNATOの後押しを受け、最終的にはウクライナをテーブルにつかせる形で再交渉が行われる可能性が高いと見られています。 - 米露の合意をめぐる世界的な影響
国際秩序を大きく変えかねない米露の合意。特にヨーロッパで培ってきた対ロシア制裁のフレームワークが崩れれば、新たなパワーバランスが誕生するかもしれません。中国や中東諸国なども、どのタイミングでどのように参入するか注目されます。 - リトアニアの壁画が象徴する世論
トランプ氏とプーチン大統領の“親密過ぎる”構図を描いたリトアニアの壁画は、単なる風刺にとどまらず、いまや国際政治の行方を暗示するシンボルになりつつあります。SNSの拡散力により、「そうなることをずっと前から予見していた」という声がさらに増える可能性は高く、政治家や外交関係者の間でも注視される存在となり得るでしょう。 - “第三次世界大戦”への不安の払拭をどう図るか
トランプ氏自身の刺激的な発言により、世界規模の紛争リスクが語られる場面が多くなっていますが、実際にそこまで一気に事態が深刻化するのかは未知数です。欧米諸国や国連、国際機関などがいかに抑制的なアクションを促すかが問われることになりそうです。
まとめると、トランプ・プーチン両首脳が急接近している現状は、ウクライナやバルト三国をはじめとする欧州諸国に強い動揺を与え、リトアニアの“キスを交わす壁画”の予言的意味が再評価されています。ウクライナ抜きでの和平交渉が進むならば、国際社会は新たな緊張を迎える危険性を否定できません。今後、米露の歩み寄りがどのような形で結実し、ゼレンスキー大統領を含む当事国がどのように対応していくか――その駆け引きが世界の命運を左右するかもしれません。



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