視聴者の最初のコメント
「最近、周りでもメンタルの不調で休職する人が増えている気がします。手帳を持つ人がこんなに増えているなんて驚きです。申請したらどんなメリットがあるのか、会社にバレずに持てるのか、実際のところが気になります。」
今回の内容のまとめ(3つのポイント)
- 所持者急増の実態:精神障害者保健福祉手帳の所持者は5年連続で増加し、2024年度末には154万人を突破。特に3級の増加率が高く、精神疾患への認知と支援ニーズの高まりを示している。
- 手帳のメリット:所持することで税金の控除、公共料金の割引、障害者雇用枠での就職活動など、経済的・社会的な支援を受けられるようになり、生活の安定につながる。
- 雇用の進展:精神障がい者の雇用者数は前年比15.7%増と過去最高を更新。企業側の理解や支援体制が進み、手帳を活用した就労の選択肢が広がっている。
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こんにちは!日々の生活に役立つお金と制度の話をお届けする、ブログ管理人のFPです。
2026年を迎え、「今年こそは働き方を見直したい」「もっと自分らしく生きたい」と考えている方も多いのではないでしょうか。
そんな中、ある数字が大きな注目を集めています。
それは、「精神障害者保健福祉手帳」の所持者が154万人を超えたというニュース。
なんと、たった1年で約10万人も増えているのです。
「えっ、そんなに?」と驚かれた方もいるかもしれません。しかし、この数字の裏には、私たちの社会の変化と、切実な「生きやすさ」への模索が見え隠れしています。
今回は、なぜこれほど手帳を持つ人が増えているのか、そして手帳を持つことが生活にどのようなプラスをもたらすのか。現役FPの視点から、3つのパートに分けて分かりやすく解説していきます。
【Part 1】「154万人超」という衝撃!数字が語るメンタルヘルスの現在地
まず、この「154万人」という数字が何を意味するのか、詳しく見ていきましょう。
厚生労働省の最新データ(令和6年度衛生行政報告例)によると、精神障害者保健福祉手帳の所持者数は5年連続で増加しています。
2024年度末の時点で、前年から10万9340人増え、ついに154万7433人に達しました。
なぜこんなに増えているの?
急増の背景には、いくつかの要因が考えられます。
- 精神疾患への理解の広がりかつては「心の病気」として隠されがちだったメンタルヘルスの問題が、うつ病や発達障害などの認知向上により、「医療や福祉につながるべき状態」として認識されるようになりました。
- 3級の取得者が急増中等級別に見ると、最も多いのは「2級(日常生活に著しい制限がある状態)」で約90万人ですが、増加率が最も高いのは「3級」(10.0%増)です。3級は「日常生活や社会生活に一定の支障がある」状態。つまり、働きながら、あるいは生活しながらも、何らかの生きづらさを抱え、支援を必要とする層が可視化されてきたと言えます。
- 制度の利便性向上横浜市などで導入されている「カード様式」の手帳や、2025年から広がり始めたオンライン申請など、取得や携帯のハードルが下がっていることも一因でしょう。
「手帳を持つこと=特別なこと」ではなく、「生活を安定させるためのツール」として選択する人が増えているのです。
【Part 2】「ただの証明書」じゃない!FPが教える手帳のリアルなメリット
「手帳を持つと、何かいいことあるの?」
これはFP相談でもよく聞かれる質問です。
結論から言うと、経済的なメリットと、働き方の選択肢を広げるメリットの2つがあります。
精神障害者保健福祉手帳は、統合失調症や気分障害(うつ病など)、てんかん、発達障害など、幅広い疾患が対象です。
取得することで受けられる主な支援を整理しました。
| 支援の種類 | 具体的な内容 |
| 税金の軽減 | 所得税や住民税の障害者控除が受けられます。年末調整や確定申告で税負担が軽くなります。 |
| 公共料金等の割引 | NHK受信料の免除(条件あり)、携帯電話料金の割引、美術館や博物館の入場料減免など。 |
| 交通機関の割引 | 鉄道、バス、タクシーなどの運賃割引(自治体や事業者により異なる)。 |
| 就労支援 | 障害者雇用枠での応募が可能になり、就労移行支援事業所の利用などもスムーズに。 |
特に大きいのが**「税金の控除」**です。
例えば、所得税なら障害者控除として27万円(等級により異なる)が所得から差し引かれます。これは家計にとって決して小さくない助けになります。
また、手帳の有効期限は2年です。
「一度取ったら一生そのまま」ではなく、状態が改善すれば更新しない選択もできますし、必要であれば更新して支援を受け続けることもできます。
この「柔軟さ」も、取得を後押ししている理由の一つかもしれません。
【Part 3】「働きやすさ」の切り札に?過去最高を更新した障害者雇用
最後に、仕事に関する大きな変化についてお話しします。
実は今、精神障がい者の雇用が過去最高を記録しています。
厚生労働省の集計によると、民間企業で働く精神障がい者の数は前年比で15.7%も増加。
身体障がい者(+2.4%)や知的障がい者(+4.0%)と比べても、圧倒的な伸び率です。
なぜ企業は採用を増やしているのか?
- 法定雇用率の引き上げ企業には一定割合の障がい者を雇用する義務(法定雇用率)があり、これが段階的に引き上げられています。企業側も本腰を入れて採用に取り組まざるを得ない状況です。
- 「配慮」のある環境へのニーズ手帳を持っていると、「障害者雇用枠」での就職活動が可能になります。これは、「通院のために休みが欲しい」「マルチタスクが苦手なので業務を整理してほしい」といった合理的配慮を前提とした働き方です。一般枠で無理をして体調を崩すよりも、オープンにして配慮を受けながら長く働きたい。そう考える人が増え、企業側もそれに応える体制を整えつつあるのです。
手帳は「働けない証明」ではなく、**「自分に合った環境で長く働くためのパスポート」**としての役割を強めています。
今後の動向予測:手帳は「お守り」のような存在へ
最後に、これからの社会における精神障害者保健福祉手帳のあり方を予測してみます。
これからは、手帳がより**「身近なセーフティネット」**になっていくでしょう。
- 申請のデジタル化・簡素化:オンライン申請やアプリでの手帳提示がさらに普及し、「知られたくない」という心理的ハードルや、「手続きが面倒」という物理的ハードルが下がっていきます。
- 「グレーゾーン」層への支援拡大:手帳を持つほどではないけれど、生きづらさを抱える人への支援と、手帳による支援の境界線が、よりシームレスになっていく可能性があります。
- キャリア形成の武器に:障害者雇用=単純作業、というイメージは変わりつつあります。専門スキルを持つ人材が、手帳を活用して「体調管理とキャリア」を両立させるケースが当たり前になるでしょう。
もし、今あなたが心に不調を抱えていて、「仕事が辛い」「生活が苦しい」と感じているなら。
精神障害者保健福祉手帳という選択肢が、あなたの生活を守る「お守り」になるかもしれません。
一度、お住まいの自治体や専門機関、あるいは主治医に相談してみてはいかがでしょうか。
制度を知ることは、自分を守ること。
このブログが、あなたの一歩を踏み出すきっかけになれば嬉しいです。
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