2026年10月16日の三菱電機の発表と、同日の報道(ビジネス+IT、ロイター、共同通信など)にもとづいてまとめています。金額や時期は、会社の発表による「見込み」です。
三菱電機が16日、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業と、自動車機器事業の共同運営で最終合意したと発表しました。子会社の株式を50%、1,150億円の見込みで譲渡します。同時に、三菱電機は約1,000億円の減損損失を出す見込みも明らかにしました。
日本の大手電機メーカーが、中核の事業の半分を外資に譲る。何が起きているのか。私たちの暮らしに関係するのか。整理します。
先に結論だけ
- 三菱電機は、子会社「三菱電機モビリティ」の株式50%を、鴻海の投資会社に1,150億円(見込み)で譲渡する
- 譲渡の完了は2027年10月の見込み。当局の許認可が条件
- 三菱電機は2027年3月期に減損損失 約1,000億円を計上する見込み
- 完了後、三菱電機モビリティは連結子会社から持分法適用会社に変わる
何が決まったのか
| 対象 | 自動車機器事業を担う三菱電機モビリティ(三菱電機の完全子会社) |
|---|---|
| 内容 | 発行済み株式の50%を、鴻海の投資管理会社(Lin Yin社)に譲渡。両社で共同運営 |
| 譲渡額 | 1,150億円の見込み(事業の企業価値を3,200億円、株式価値を2,300億円と算定し、その50%) |
| 事業の規模 | 2026年3月期の売上高は8,756億円 |
| 完了時期 | 2027年10月の見込み |
新会社を作るのではなく、既存の三菱電機モビリティを、両社で共同運営する形になります。
なぜ、鴻海と組むのか
両社が示した狙いは、三菱電機モビリティが積み上げてきた電動パワートレインやソフトウェア・制御の技術と、鴻海の市場展開のスピードや規模を組み合わせることです。これにより、高品質な日本発のEVプラットフォーム(基本構造)を提供する、としています。
鴻海は、2026年1月にも、三菱ふそうと国内に新たなバスメーカーを共同設立する最終合意を結んでいます。自動車分野での存在感を、国内で広げている動きの一つです。
「減損約1,000億円」とは
減損損失とは、事業の価値が帳簿の金額を下回ると判断された際に、その差額を損失として計上するものです。三菱電機は、2027年3月期の連結決算で、約1,000億円を「その他の損益」に計上する見込みだと発表しました。今回の譲渡に伴う会計上の処理であり、現金が1,000億円出ていく、という意味ではありません。
私たちの暮らしへの影響は?
三菱電機モビリティは、車の電動化や制御に関わる部品などを手がけています。ただし、このニュースが、すぐに車の価格や品質に影響する、という報道は確認できません。中長期では、次の点が注目されます。
- 共同運営で、EV向けの部品や車台の提案が、どう進むか
- 三菱電機の連結決算から外れることで、業績の見え方がどう変わるか
- 日本の部品メーカーと、台湾・中国系メーカーとの連携が、他の企業にも広がるか
今後の焦点
当局の許認可を得て、完了するのは2027年10月の見込みです。それまでに、競争法の審査や、取引先との調整がどう進むかが焦点です。続報があれば、あらためて整理します。


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