11月5日の東京株式市場で、キオクシアホールディングス(285A)が大きく売られました。終値は前日から13.14%安の9,324円で、節目の1万円を割り込んでいます。一方で同じ日にトヨタ自動車が16%超も上昇し、市場では「何が起きたのか」と話題になりました。大引けを伝えたMedia-IRや、コラムを掲載したcokiの記事をもとに、数字を整理します。
キオクシアの終値は?13%安の数字を確認
Media-IRによると、キオクシアは13.14%安の9,324円で取引を終えました。cokiは前日から1,411円下げたと書いています。同社は10月30日に、AIデータセンター向けの需要を背景とした大幅な増収増益の見通しを示したばかりでした。それでも株価が上がらなかったことから、cokiは「好決算が裏目に出た」と表現しています。
5日は米国株高を受けて朝方は買いが先行していました。それが午後にかけて半導体株への売りが膨らみ、日経平均は上げから下げへ転じています。半導体の比重が高い指数ほど値動きが荒くなる構図が、はっきり出た一日でした。
なぜ半導体株が一斉に急落したのか
下げたのはキオクシアだけではありません。同じ5日の下落率は、芝浦メカトロニクスが23.06%、イビデンが16.31%、アドバンテストが14.71%、レーザーテックが14.21%でした。業種別でも電気機器が5.24%下がっています。
理由として語られているのは、AI投資の採算への警戒感と、株価が高くなりすぎていたことへの懸念です。cokiは加えて、11月3日の米中間選挙で民主党が議席を伸ばしたことで、データセンター建設への規制強化が意識された可能性にも触れています。ただしこれは筆者の見方であり、特定のアナリストが発言したものではありません。
日経平均は1,110円安、でもTOPIXは上昇した理由
値下がりを受けて、SNSでは「1万円割れ」という言葉が急速に広まりました。切りのよい数字は心理的な節目として意識されやすく、割り込むと売りが売りを呼ぶことがあります。ただ、これも市場の一般的な傾向であり、今回の動きの原因だと断定できるものではありません。
日経平均は1,110.73円(1.79%)安の6万1,077円90銭で終わりました。寄り付きは前日の米国株高を受けて6万2,653円98銭まで上がりましたが、場中の下げ幅は一時1,402円に達し、14時59分には6万786円19銭まで下がっています。前日4日も893円23銭安でした。
ところがTOPIXは45.01ポイント(1.16%)高の3,940.39でした。日経平均は値がさの半導体株の影響を受けやすい一方、TOPIXは幅広い銘柄で構成されます。この違いが、同じ日に「下げ」と「上げ」が並んだ背景です。
トヨタが16%高、輸送用機器が業種別トップ
資金の行き先として目立ったのが自動車でした。トヨタ自動車は16.68%高の3,533円、三菱自動車は13.34%高。輸送用機器は11.81%上昇し、33業種の中で最大の上げ幅でした。逆に非鉄金属は7.50%、鉱業は7.28%下げています。半導体から出遅れ感のある銘柄へ、資金が動いたという構図です。
信用買い残8,700億円の怖さと今後の注目点
cokiが紹介する10月30日時点のデータでは、キオクシアの信用買い残は8,698億円に対し、売り残は198億円。信用倍率は43.86倍と、買いに大きく偏っていました。借金をして買った人が多い銘柄は、下げ始めると追加の担保(追い証)を求められ、さらに売りが出やすくなります。今後は平均販売単価の動きや、AI投資をめぐる各社の発言が焦点になりそうです。
まとめ
キオクシアの急落は、好業績でも「期待ほどではない」と受け取られたことに、半導体株全体の売りと信用取引の偏りが重なった結果とみられます。株価の見通しは誰にも断定できません。投資判断はご自身で、最新の情報を確認したうえで行ってください。


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