人気バンド・flumpoolのギタリスト、阪井一生さんが、ピアニストで作曲家の大浦史記さんから東京地裁に訴えられていることが報じられています。争点は、ドラマの劇中音楽(劇伴)の作曲者としてのクレジット表記と、楽曲の名義です。裁判は係争中で、事実関係はまだ確定していません。
阪井一生と大浦史記、何が争われているのか
coki(公器)や週刊女性PRIMEの記事によると、大浦さんは2017年ごろ、阪井さんの依頼でドラマ音楽の制作を始めました。最初の仕事はFNS27時間テレビのスペシャルドラマで、約10曲弱を納品し、報酬は約2万円だったとされています。その後も約8年にわたり関わり、1曲あたり数千円から数万円程度で、明確な契約書はなかったと説明されています。
『対岸の家事』で何が起きたのか
転機は2025年のTBS系ドラマ『対岸の家事〜これが、私の生きる道!〜』です。大浦さんは16曲を制作し、そのうち1曲の作曲者として、エンドロールや公式サイトに連名で載せてほしいと求めました。しかし実現せず、2025年4月にSNSでサウンドトラックの発売を知ったと述べています。さらに、同曲のJASRAC登録が阪井さんの名義になっていたことも問題視しています。
調停では合意できず、2025年9月に提訴。請求は100万円の損害賠償と謝罪文の掲載、サウンドトラックCDの在庫破棄と流通停止だと報じられています。
10月13日の本人尋問、阪井さん側の主張は
2026年10月13日、東京地裁中目黒庁舎で本人尋問が行われました。cokiによれば、阪井さんは法廷で、ピアノデータの作成そのものは作曲とは認識していなかったと主張したとのことです。過去の仕事でクレジットを求められなかったため、今回もこだわらないと判断したという説明も伝えられています。一方、クレジットの扱いを独断で進めた点については謝罪し、双方に誤解があったことは認めたとされます。阪井さんの代理人弁護士は「誠意をもって対処している」とコメントしています。
なぜ注目されるのか、劇伴をめぐる課題
劇伴は、視聴者の目に触れにくい一方で、権利や報酬の扱いがあいまいになりやすい分野だといわれます。口約束での依頼が長く続いた点は、今回の争いの背景として指摘されています。大浦さんはXで訴訟を公表し、和解には応じない姿勢を示しています。
著作権法では、作品を実際に創作した人が「著作者」とされ、氏名を表示する権利(氏名表示権)などが認められています。ただし、誰が創作者にあたるのか、制作の分担をどう評価するのかは、依頼の経緯や制作過程によって判断が分かれる論点です。今回の裁判でも、ピアノデータの作成が作曲にあたるのか、音楽監督としての関与がどこまで評価されるのかが、大きな争点になるとみられます。
劇伴は、ドラマの場面に合わせて作られる音楽のことです。一般には、作曲家や制作者が曲のたたきを作り、音楽監督が全体を取りまとめて制作会社に納品する流れが多いとされています。その過程で誰がどこまで関わったのかが、クレジットや著作権の登録名義を決める際の重要な材料になります。JASRACへの登録は、作品の届出をした人の情報をもとに行われるため、届出の内容も確認の対象になるでしょう。
今後の見通しとまとめ
今後は裁判所が、楽曲の作曲者が誰か、クレジットや名義の扱いが適切だったかを判断していきます。判決の時期は現時点で報じられていません。
阪井一生さんは作曲者としての認識を否定し、大浦史記さんは自分の作曲だと主張している、というのが現時点の構図です。どちらの主張が認められるかは今後の審理次第であり、確定した事実と当事者の主張は分けて見る必要があります。


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