今回のニュースを見て、「なんで今さら?」と思った人も多いと思います。実際、「完全に今さら感がある」という趣旨の投稿も見かけました。
ただ、NTTの縦割りには、民営化から続く長い経緯があります。この記事では、日経などの報道で示された流れを軸に、「なぜ縦割りが続いたのか」と「今後どうなるのか」を、社員・株主・利用者の3つの目線で整理します。
3行でまとめると
- NTTは1985年に民営化、1999年に分離・分割。以降、事業会社が独立して相乗効果が出にくかったと報じられている
- 新制度は、その縦割りの解消に踏み込むものと位置づけられている
- 効果が見えてくるのは運用が始まってから。決算や人事の動きが今後の目安になる
そもそも、縦割りはどこから始まった?
| 年 | 出来事 |
|---|---|
| 1985年 | NTTが民営化される |
| 1999年 | 持株会社のもとで、事業会社に分離・分割される |
| 2023年7月 | グループ内の社内公募制度「NTT Group Job Board」が始まる |
| 2026年7月 | スキル管理基盤の運用開始(約16万5,000人が対象) |
| 2026年10月22日 | オファー型の「NTT Group Job Scout」を発表。10月中に希望を募る予定 |
日経は、分離・分割のあと、傘下の事業会社がそれぞれ独立した形になり、グループとしての相乗効果が働きにくかったと指摘しています。事業会社ごとに人事や文化が育ったことが、いわゆる「縦割り」と呼ばれる状態を生んだと考えられます。
なぜ40年も変わらなかったのか
報道で示されている範囲では、決定的な「ひとつの理由」があったわけではなさそうです。私なりに整理すると、背景として次のような点が考えられます。
- 会社ごとに、事業の内容や顧客が大きく違う
- 給与体系や評価の仕組みが、会社ごとに別々に作られている
- 異動の仕組みがあっても、本人が自分で応募しなければ動かない
最後の点は、NTT自身も課題として認めているようです。応募型の社内公募だけでは、「応募に踏み出せない社員」が出てしまうからです。
新制度で、何が変わりうるのか
社員にとっては
自分のスキルを登録しておけば、思ってもみなかった部署や会社から声がかかる可能性があります。一方で、自分で異動を希望していることが条件なので、希望しない人に影響があるかどうかは運用次第です。待遇面の取り扱いは、現時点で公表されていません。
株主・投資家にとっては
Xでは、「これは売上より費用側の話」という趣旨の投稿も見られました。縦割りによる重複した投資や人員配置が減れば、まず効いてくるのは営業利益率かもしれません。ただ、効果が数字に出るまでには時間がかかります。次の決算で、人件費やシステム費の内訳がどう動くかが注目点だといわれています。
利用者(契約者)にとっては
直接の変化はすぐには見えにくいでしょう。ただ、グループ内の連携が進めば、サービスの組み合わせや窓口の対応が変わる可能性はあります。これは、あくまで期待の域を出ない話です。
今後の注目ポイント
- 何人が実際に動くのか:Job Boardでは約3年で約2,100件の異動だった。それと比べてどうなるか
- どんな職種の異動が増えるのか:次世代通信やAIなど、成長領域に人が動くか
- 待遇の扱い:給与や評価が、異動で不利にならない設計か
- グループ全体の「タレントマーケットプレイス」化:NTTが将来像として挙げている構想の進み具合
管理人のひとこと
40年の積み重ねが、一つの制度で急に変わるとは思えません。ただ、10万人という数字は、本気で動かそうとしているサインだとも受け取れます。続報が出たら、また追いかけます。
あわせて読みたい:
参考:NTT 発表資料/マイナビニュース/日本経済新聞(2026年10月22日)。引用した反応は、Xの投稿の趣旨を要約・再構成したものです。


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