宮城の名物として知られる「笹かまぼこ」の作り手が、いま苦しんでいます。朝日新聞の報道によると、県内の中小の老舗メーカーで、昨年から倒産が続いています。
お土産や、ごはんのおかずでおなじみのあの味が、どうして。その背景には、意外にも「世界的なカニカマ人気」がありました。
- 昨年11月に「武田の笹かまぼこ」が事業停止。今年9月には塩釜市と亘理町の老舗が自己破産を申請(いずれも創業90年以上)
- 原料の「すり身」は北米からの輸入頼み。世界で奪い合いになり、日本は「買い負け」
- 円安も重なり、すり身の輸入単価は今年8月に1キロ490円。10年前の200円台後半から大幅に上昇
何が起きたのか
報じられている企業は、塩釜市の「武田の笹かまぼこ」(昨年11月に事業停止)、同じく塩釜市の「カネコ橋沼商店」と、亘理町の「馬上かまぼこ店」(今年9月に自己破産を申請)です。後者の2社は創業90年以上の老舗でした。
笹かまぼこの味を支えてきた店が、立て続けに姿を消している。これが、現場で危機感が広がっている理由です。
ネットの反応をスレ風にまとめてみた
※ネット上で見られた意見の傾向をもとに、編集部で要約・再構成したものです。実際の書き込みをそのまま引用したものではありません。
なぜ「すり身」が足りなくなったのか
笹かまぼこの原料はスケトウダラのすり身で、国内メーカーは多くを北米からの輸入に頼っています。ところが、欧米では健康志向から日本食ブームが起き、北米では魚の切り身(フィレ)の生産が優先されるようになりました。その分、すり身の生産量は細っています。
一方で、すり身の需要は、世界的なカニカマ人気で旺盛なまま。供給は減るのに欲しい人は増えるので、日本の業者は調達競争で「買い負け」しているという構図です。そこに歴史的な円安が重なって、原料高に拍車をかけました。
値段はどのくらい上がった?
国の貿易統計では、今年8月のスケトウダラのすり身の輸入単価は1キロあたり490円。10年前の200円台後半から、大きく上がっています。さらに県内の関係者によると、米産すり身の日本向け価格が、今冬から1キロあたり1ドル引き上げられるという情報もあり、警戒が広がっています。
業界団体も声明を出した
日本かまぼこ協会は10月15日、「企業努力だけでは吸収できない局面を迎えている」などとする声明を出し、業界の厳しい状況を訴えました。協会の会長は、仙台市の阿部蒲鉾店の社長が務めています。
まとめ
笹かまぼこの倒産が続く背景は、一社の経営の問題というより、世界の需給の変化と円安という、個々の会社では動かせない要因が大きいようです。私たち消費者にできることは多くありませんが、好きな味の作り手を知って、買って食べることは、小さな応援になります。この続きとして、値段への影響を別の記事で整理しています。
参考:朝日新聞(10月23日配信)、北日本放送(10月16日配信)、日本かまぼこ協会の声明についての報道


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